海水浴に行ったとき、波打ち際に、色とりどりのペットボトルやいろいろなゴミが打ち上げられているのを見られたことがあると思います。

あるいは、ニュースで、海鳥やウミガメが捨てられた漁具に絡まったり、魚や海辺の生き物のお腹の中に消化されないままのビニール袋がいっぱい詰まっている様子を見られたことがあると思います。

それらは、すべて、川や海に捨てられ、海上や海中を漂っているゴミが引き起こしています。

漂着ゴミについて、一緒に勉強しましょう。

 

漂着ゴミとは?

漂着ゴミとは?

漂着ゴミとは、端的に言うと、海洋を漂流しているゴミおよび海岸に漂着したゴミの総称です。

海洋ゴミ、海ゴミなどともも呼ばれます。

「名も知らぬ遠き島より流れ来るヤシの実ひとつ・・・」と「椰子の実」でうたわれたように、海洋には昔から、いろいろなものが浮遊し、流れていました。

しかし、今問題になっている漂着ゴミは、椰子の実のように時間とともに腐敗し分解されるのではなく、いつまでも存在し続ける素材のゴミです。

つまり、主にはプラスチック素材のゴミです。

ペットボトルや発泡スチロールの他、漁網やウキなどの漁具です。

海洋ごみの総量は1.5億トンを超え、毎年800万トン以上が新たに流れ込んでいると推計されています。

特にプラスチックごみは2050年に魚類の総量を上回るだろうと予測されています。

 

漂着ゴミはどこから来るの?

漂着ゴミはどこから来るの?

漂着ゴミは、海の流れに乗って、海洋を動いています。

日本の海岸でも、外国から流れついたゴミが多い場所や日本で捨てられたゴミが多い場所など、場所によって違いがあります。

いずれにしても、漂着ゴミとは海岸でポイ捨てされたゴミだけでなく、海から遠く離れた川に捨てられたゴミや、道路上のゴミなどが風や雨で川に流され、海にまで流れ込んだゴミも多いです。

つまり、もともとは陸上や海上での物の不注意な取扱いや投棄されたゴミのことです。

そのゴミが大雨や風などによって水に流され、風や海水の流れの影響を受け、海面や海中を漂ったり、重いものは海底へと沈んだり、一部が海岸へと流れ着いたりしています。

さらに、不要になった漁網やウキなどの漁具を不法投棄されたものも漂着ゴミの一因となっています。

いずれにせよ、漂着ゴミは我々人間が捨てたゴミです。

 

漂着ゴミはどんな種類のゴミが多いの?

漂着ゴミは、家庭から出たゴミ、漁業から出たゴミ、農業や工場から出たゴミに大別できます。

TVニュースなどで、捨てられた漁網に絡まった海ガメなどのかわいそうな映像を見ると、漁業者の不法投棄が多いのかなとか、工場から捨てられたゴミが多いんじゃないのかなどと思われるかもしれませんが、家庭から出たゴミが一番です。

割合的には、

  • 家庭から出たゴミ   :51%
  • 漁業から出たゴミ   :34%
  • 農業や工場から出たゴミ:15%

家庭から出たゴミと言っても、川や海に意識的に捨てられたゴミばかりでなく、庭や屋外にあったものが風や雨で飛ばされたり、洪水などの災害で流れ出たゴミなども含まれます。

東北大震災で流れ出たがれきが、ハワイに流れ着いたというニュースを見られたことがあると思います。

地球上のすべての場所が、海を通してつながっているといえます。

街から出たゴミが、漂着ゴミの80%を占めていると言われています。

漂着ゴミのほとんどのものが人間の活動に関係しています。

 

種類別割合!プラスチックごみがダントツ!

 

種類別割合!プラスチックごみがダントツ!

漂流ゴミを素材別にみると、ボトルのキャップ、ペットボトル、食品容器、ロープ、漁具、部位などの「プラスチック」、物流パレットや木炭を含む木材」などに二分されます。

漂着ゴミの割合は、場所や季節によって異なります。

漂着ゴミのうち、人工物の割合が90%を超えています。

人工物のうち、プラスチックの割合が高いです。

現在、全世界におけるプラスチックの年間生産量は、約3.8億トンです。

そのうち、少なくとも毎年800万トン、多くて1,200万トンのプラスチックゴミが世界中の海に流れ出ています。

プラスチックゴミは、細かい粒子(=マイクロプラスチック)となって生分解されないまま、海面、海中を漂います。

海の生物が誤食しても、消化されません。

さらに、海の生物が、漁網に絡まってしまったり、海底に沈んだゴミが分解されずに残ってしまうなど、大きな問題、将来にかかわる問題を引き起こしています。

 

漂着ゴミが引き起こす問題とは?

漂着ゴミの問題は、現在の問題にとどまらず、これからの人類、地球上に住むすべての生物、地球そのものにかかわる大きな問題を含んでいます。

どのような問題があるのか、順番に見ていきましょう。

景観を損なう!

真っ白な砂浜が続く世界有数のリゾート地のビーチが、打ち上げられたペットボトルや色とりどりの食品パッケージなどで覆われているニュースを見られたことがあると思います。

地元の人やサーファーの人たちが、ボランティアで海辺の清掃をされていることもありますが、まさに「いたちごっこ」です。

海水浴やマリンスポーツなどを楽しめる海岸、歴史的景観が続く海辺の景色などが、漂着ゴミによって損なわれています。

その結果、観光業などにも影響が出ます。

船舶の運航に支障

航行している船舶が海を漂流している漂着ゴミとの衝突やスクリューの変形など、直接、運行に影響を受けることも多いです

船底のエンジン冷却水口へのプラスチックゴミの吸い込みによる障害、影響もあります。

実際、大きなブイやロープ、ドラム缶および長い流木などが漂流しています。

過去にはオイルフェンスや冷蔵庫といったものも港内に浮遊していることがありました。

海洋浮遊物の回収も清掃兼油回収船などで行われていますが、台風や長雨のあとは浮遊物が非常に多くなるそうです。

漁業への影響

漁業者が不法投棄したプラスチック製の漁網やネットなどの漁具が海にすむ生物を苦しめ、絶滅に追いやっている一方、海底にたまった海底ごみの堆積による漁場環境の悪化などの影響が問題視されています。

少なからず、漁業への影響が懸念されています。

海に流出した漁網などは、ゴーストネット、ゴーストギアと呼ばれています。

文字通り、ゴーストのように海中を漂っています。

人の手を離れた後も、魚を捕獲し続けることをゴーストフィッシングと呼びます。

ゴーストフィッシングによって海の生物を捕獲し続けてしまい、海の脅威となっています。

海洋生物への影響

海洋生物への影響

海の生物が、漂着ゴミの影響を一番受けているのかもしれません。

たびたび、漁網に絡まったウミガメやビニール袋を誤食したサメなどのニュースが流れます。

例えば、2019年にイギリスの砂浜で見つかったクジラの死体からは、100キロものプラスチックなどのゴミの塊が出てきました。

クジラ以外にも、毎年世界中で10万匹以上の海に棲む哺乳類がプラスチックを誤って摂取したり海洋ゴミに絡まることで命を落としています。

海洋に流れ着いたプラスチックは波に打たれ、紫外線にさらされ、少しずつ小さくなります。

5mm以下までの小さな破片に砕けたプラスチックがマイクロプラスチックと呼ばれます。

それらを動物プランクトンや魚がえさと間違え食べます。

さらに大きな魚がそれらを食べることによって生物濃縮されます。

人類の健康への懸念

前項で説明したマイクロプラスチックは、小さく砕けていく過程でそのデコボコした表面に海中に漂う、水と混ざり合わない工業系・農業系の化学物質などさまざまな汚染物質が吸着していきます。

小さな動物プランクトン→魚→より大きな魚と順番に食べれらていくことを通して、マイクロプラスチックの濃度はどんどんと上がっていくことになります。

最終的にそれを食べるのは、私たち人間です。

私たち人間が捨てたゴミが、周りまわって私たち人間の体に帰ってくるというのも皮肉な話です。

マイクロプラスチックの人間の健康に及ぼす影響については、まだまだ解明されてはいません。

これからの研究の成果が待たれます。

ただ、有害物質が付着したマイクロプラスチックが人間の健康に良くない影響を与えることは明らかです。

また、海底ごみなどによる海洋資源の減少などの影響を受けるのも私たち人間です。

 

漂着ゴミ問題に対して私たちにできること!

漂着ゴミ問題に対して私たちにできること!

簡単に見てきただけでも、漂着ゴミの問題の根深さ、深刻さがわかっていただけたと思います。

では、最後に、漂着ゴミ問題について、私たちにできることとは何でしょうか?

「一人ぐらいがちょっとぐらい何かをしたからと言って、何も変わらない!」などという悲観論は、何もしないことの口実でしかありません。

できることを以下にまとめました。

漂着ゴミについて学ぼう!

「知る」ことは力です。

この記事を読んでくださった皆様ですから、漂着ゴミに関心があると思います。

まず、関心をもって、漂着ゴミ問題を眺めるだけでも違います。

そして漂着ゴミについて、もっと調べてみたり学んだりしてください。

自分たちが何気なくしていたことが、漂着ゴミにつながり、海の生物たちを苦しめているということを知っただけでも、きっと行動に変化が起こるはずです。

夏休みの課題に、お子さんと一緒に勉強してみてはいかがでしょうか?

お近くの海洋センターなどに行くと、実際に、魚の胃から出てきたプラスチックごみなどが展示されていたりします。

また、詳しい資料も置いてあります。

出るゴミを減らそう!

漂着ゴミ問題を考えるとき、川や海へのゴミの不法投棄は論外です。

いろいろなゴミが、知らない間に川や海に流れ込んでしまう可能性もあります。

なによりゴミを減らすことが重要です。

特に一度使っただけですぐ捨てる、レジ袋やプラスチック製カトラリーなどはもらわないようにすることが大切です。

また外出先でのゴミは、家に持ち帰りましょう。

その場に置いておくのは、たとえゴミ箱だとしてもNGです。

自分のゴミは最後まで責任を持ちましょう。

行動を起こそう!

もし、チャンスがあれば、海岸での漂着ゴミをひろうボランティア活動などに参加してみませんか?

お子さんと一緒に参加するのもいいですよ。

漂着ゴミを頭で考えるだけでなく、実際に肌身に感じることができるはずです。

大切な地球、かけがえのない海の生物たち、そしてなにより大事な私たち人間のため、漂着ゴミ問題を考え、行動していきましょう。CTA

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