本記事では、買い物依存症と発達障害の関係性について解説しています。

発達障害の特性をみてみると、買い物依存症に陥ってしまいやすい理由が見えてきます。

買い物依存症にはどんな特徴があるのか、発達障害の人が買い物依存症を治すためにはどんな方法があるのかなどを解説しているので、ぜひご覧ください。

買い物依存症と発達障害には関係がある

買い物依存症と発達障害は相関関係があるとされています。

発達障害の症状のうちのひとつに「依存症」があり、買い物依存症のほかには、ギャンブル依存症・アルコール依存症などが有名ではないでしょうか。

買い物依存症とは文字通り買い物に依存してしまうことです。

買い物依存症がひどいと、収入の範囲内を超えて借金までして買い物をしてしまったり、部屋が物で溢れ返って汚部屋・ゴミ屋敷になってしまったりするケースもあります。

さらにこれらの状態から抜け出せなくなると、自己嫌悪に陥り、うつ状態になってしまう恐れもあるのです。

では、この買い物依存症が発達障害とどのように関係があるのでしょうか。

買い物依存症になりうる発達障害の特性

発達障害は、自閉症スペクトラム障害（ASD）と注意欠如多動性障害（ADHD）の2つが代表的な障害ですが、これらの疾患に関わる以下の特性が、買い物依存症と関連があるのではないかとされています。

• 不注意・気が散りやすい
• 計画性がない
• ひとつのもの・ことに対するこだわりが強い

買い物依存症との関連を示すと以下のようになります。

買い物依存症を含む依存症の多くは、「やってはいけないことだと理解しているけど自分で制御できない状態」です。

また発達障害も、行動をコントロールする役割がある脳の前頭葉の働きが弱いことと関係しています。

これらのことから、発達障害からくる買い物依存症は「我慢のできない意志の弱い人」ではなく脳の機能障害でれっきとした病気です。

改善するためには、自分だけの力ではなく、周囲のサポートや専門機関による治療などが必要だと理解しましょう。

買い物依存症の特徴

自分が買い物依存症かを把握するためには、買い物依存症の特徴を理解するのが効果的です。

また、買い物依存症をはじめとする依存症の類から脱却するためには、まずは自認が大切ともいわれています。

そこでここからは買い物依存症に当てはまるとされる特徴を紹介していくので、ご自身や周りの買い物依存症である人と照らし合わせてみてください。

• 後先考えず衝動買いしてしまう
• 支出を把握せず買い物してしまう
• ストレス解消で買い物してしまう
• 家に同じものがいくつもある
• 買い物をした後罪悪感に駆られるがやめられない

後先考えず衝動買いしてしまう

買い物依存症の人は、後先考えずに衝動買いしてしまいます。

後先考えられないのは、発達障害との関連も深く、意志が弱いなどの言葉で片付けられる問題ではありません。

支出を把握せず買い物してしまう

支出を把握せずに買い物してしまうのも買い物依存症の特徴です。

一度の買い物でいくら使ったかわからない、というよりは収入に対してどれくらい支出が発生しているかわかっていない場合が多くあります。

当然収入の範囲を超えた金額を超えれば、支払いはできないので、リボ払いやカードローン、家族・友人からの借金などをしてしまうケースもあるので危険です。

中にはとても返しきれない金額にまでのぼってしまう方もいるので、早急に改善しなければなりません。

ストレス解消で買い物してしまう

ストレスの解消方法のひとつとして買い物をしている場合も、買い物依存症の特徴です。

ストレス解消で買い物をする人は、買い物自体に強い快楽を感じている傾向があります。

ほかに趣味があれば、分散してストレスを解消できますが、発達障害の特にASDの人では、興味が持てる範囲が狭いという特性も影響して、買い物をし続けてしまうのです。

家に同じものがいくつもある

家に同じものがいくつもある場合は、重度の買い物依存症といえるでしょう。

ストレス解消で買い物してしまう・衝動買いが抑えられないなどと重複して起こり得る特徴です。

このような症状の人は、買い物自体が目的になっていて何を買ったか覚えていない・買っただけで満足して新品のままどこかにしまっているケースが考えられるでしょう。

同じものが家の中に2個3個とあればあれば物は増えていく一方なので、中には家が汚部屋・ゴミ屋敷になってしまう方もいます。

買い物依存症に似た精神疾患としては「ためこみ症」も挙げられます。

ためこみ症の詳細を確認したい方はこちら！

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買い物をした後罪悪感に駆られるがやめられない

買い物依存症の人は、買い物をした後に罪悪感に駆られる場合があります。

しかし、買い物をしている時点では自分ではコントロールできないので、やめられません。

罪悪感に駆られたのち、自己嫌悪に陥りストレスを感じてまた買い物してしまう、といった負のループが出来上がってしまう恐れもあります。

発達障害の人が買い物依存症を治す方法

発達障害からくる買い物依存症の場合は、一朝一夕での改善が難しいです。

意志の力だけでは良くならないので、習慣や仕組みで治していくほかありません。

そこでここからは、発達障害の人が買い物依存症を治す方法を紹介していきます。

• クレジットカードを破棄する・預ける
• ストレスを解消する方法を見つける
• 通販サイトを見ない
• 部屋を整理してみる
• 診察・治療を受ける

クレジットカードを破棄する・預ける

クレジットカードを破棄したり信頼できる誰かに預けたりしてみましょう。

クレジットカードは実際にお金を使っている感覚が薄いうえに、収入以上の金額を支えてしまうので、買い物依存症を改善するうえでは相性が悪いです。

「使わない」と意思を固めても、買い物依存症になっている場合はそれを実現するのは難しいでしょう。

そのため、クレジットカードを使えない状態にするのは有効な手段です。

持っているクレジットカードは全て破棄したり、信頼できる家族・友人に預けたりして、使えない状態にしてみましょう。

買い物以外でストレスを解消する方法を見つける

買い物がストレス解消法になっていると、買い物依存症を改善するのは難しいので、買い物以外でストレスを解消する方法を見つけましょう。

ストレス解消方法は多く持ち合わせている方がいいのはもちろん、お金がかからない点も重要です。

• 日光を浴びる
• 散歩する
• 1人でできる運動・エクササイズを見つける
• 深呼吸する
• 気の合う友人と会う
• ゲームや映画鑑賞など長く遊べる趣味を見つける

食事などもストレス解消に効果的な方法ですが、発達障害の場合、依存症になりやすい傾向があるため、偏食・過食になってしまう恐れがある点には注意が必要です。

また、ストレスを溜め込まない方法も見つけられると良いでしょう。

発達障害の人は、ストレスを感じやすいとされているため、そもそもストレスを溜め込まない環境作りも重要です。

• 転職する
• 人間関係を見つめ直す
• 自分の特性を理解する

特に自分の特性を理解するのは効果的です。

感覚過敏で雑音が気になるなら耳栓やノイズキャンセリングのイヤホンをする、不特定多数の人と関わるのが苦手なら転職するなど、ゆっくりでもいいので自分に合った環境作りを進めていきましょう。

通販サイトを見ない

買い物依存症になっていると、通販サイトを見ているうちに買い物をしてしまう場合もあるので、通販サイトは見ないようにしましょう。

スマホを使っているなら通販系のアプリを全て削除する、パソコンを使っているなら思い切って電源を切ってみるなどの対策が必要です。

現代ではインターネットが身近になり、必要な情報に簡単にアクセスできますが、逆に不要な情報まで目に入ります。

特に、広告等で購買意欲をそそられる可能性は高いので、デジタルデトックスする方法も買い物依存症を改善するのに有効です。

部屋を整理してみる

部屋の掃除や断捨離なども、買い物依存症を治すのに効果があります。

特に、気づいたら同じものが家に何個もある、などの経験がある方に有効な手段です。

すでにあるとわかっていれば買い物をしないはずなので、今自分の家にはどんなものがあるのか・いくつあるのかなどを把握する意味でも部屋を片付けてみましょう。

また、断捨離していると、物が可視化されるので、買い物依存症を自認するきっかけになる場合もあります。

買ったものの個数や値段を書き出してみると、今まで無意識のうちにどれだけのものをいくらで買っていたか把握できるのでおすすめです。

自分で部屋を片付けるのが難しい場合は、業者に依頼してみましょう。

以下で片付け代行業者のおすすめを紹介しているので、気になる方はあわせてご覧ください。

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診察・治療を受ける

自分だけで改善するのが難しい、周囲に相談できる人がいない場合は、専門機関の診察や治療を受けましょう。

「たかが買い物がやめられないくらいで」と考えてしまう方もいるかもしれませんが、買い物依存症はれっきとした病気です。

ひどくなると鬱状態になったり、自己破産にまで追い込まれたりと、生活が破綻してしまう恐れもあります。

買い物依存症を含む依存症専門の医療機関もあるので、改善したいけど自分だけではどうにもできないなどと悩んでしまう方は、診察や治療を受けてみましょう。

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買い物依存症になると、必要ないものまで買ってしまい、いつの間にか家の中が汚部屋・ゴミ屋敷といわれる状態になっているケースも少なくありません。

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