部屋が散らかり、本来は捨てるべきゴミに囲まれて生活するゴミ屋敷の住人は、不潔感が漂う人や引きこもり系の人が多いと思いませんか?
しかし、必ずしもそうではないようです。

実は意外なことに、ゴミ屋敷の住人には看護師を含む医療職や介護職の人も多いと言われています。
今回は、ゴミ屋敷の住人から依頼を受け、ゴミ屋敷の清掃に関わってきた清掃のプロたちの証言などをもとに、どうして看護師がゴミ屋敷の住人として多いのか、その謎に迫りたいと思います。

ゴミ屋敷の住人の特徴


まず、ゴミ屋敷の住人の特徴をご紹介します。

ゴミ屋敷の住人といっても、自分ではゴミ処理の対応ができず、行政の介入を必要とするレベルの住人と、自分で清掃業者に依頼をして掃除ができるレベルの人では、多少特徴が異なるようです。

大阪市の調査からわかったこと:ゴミ屋敷の住人には特徴がある

平成25年に、大阪市が各区役所の担当者が把握しているゴミ屋敷について、その特徴を調査しています。

その結果から、ゴミ屋敷の住人には

  • 50歳以上の年齢
  • 集合住宅に住んでいる
  • ひとり暮らし
  • 近隣との関わりがない

といった特徴があることがわかりました。

また多くの場合、住人はゴミを集めてくるのではなく、「自分でゴミを捨てることができない、捨て方がわからない」と話していることもわかりました。
ゴミ屋敷の住人たちは、最初からゴミのなかで生活していたわけではありません。
最初は「精神的に疲れた」とか、「ゴミを出すのが面倒」といった、些細な理由からゴミを自室のなかにため始め、そのうち自分では処理できないレベルにまでゴミがたまってしまったようです。
その上、集合住宅だとゴミ出しのルールが複雑で、ゴミを出しそびれてしまうこともあるでしょう。
一人で暮らしていて周囲との関係も希薄だと、ゴミがたまっていっても、そのまま放置する方が楽なのかもしれません。

なおこの調査は、区役所が介入する必要があるレベルの方達を対象にしていますので、偏りのある集団を対象にした調査です。
事実、背景には精神疾患、発達障害、認知症など、生活の維持そのものに支援が必要な方も相当数含まれていました。
しかしこの結果を見ることで、ゴミ屋敷の住人になりやすい人について、おおよその傾向はつかめるのではないかと思います。

清掃業に直接依頼できる人には別の特徴があった


行政サービスが介入する前に、自分で清掃業者に部屋の掃除を依頼する人たちもいます。
自分で清掃を依頼できる人たちは、当然ながら財力的に余裕のある人で、必然的に仕事を持っている方が圧倒的に多くなります。
つまり、大阪市の調査で判明した比較的年齢の高い人たちや病気を持っている人たちとは、異なる特徴があると言えます。
そこで、次にどのような職種の人がゴミ屋敷の住人として多いのかについて、見ていきましょう。

ゴミ屋敷の住人になりやすい職業


ゴミ屋敷の清掃を扱う、いわば清掃のプロたちの証言によると、ゴミ屋敷の住人になりやすい職業には、特徴があるようです。
どのような特徴のある職業でしょうか?

専門性の高い、ストレスのかかる職種にゴミ屋敷の住人が多い

清掃のプロたちの証言によると、

  • 比較的専門性が高い
  • 精神的なストレスがかかる
  • 人になかなか頼ることができない

といった特徴を持つ職業の人たちが、ゴミ屋敷の住人として多いそうです。

このタイプの職業の方たちは、仕事で精神的に負荷がかかっていますので、疲れ切って帰宅すると、もう家事をする余力がなくなっていると推測できます。
そのため、ゴミがあっても捨てに行くことすらできなくなっている可能性があります。
仕事柄、また世間体もありますので、なかなかプライベートのことで人に頼ることもできないのでしょう。
そうすると、ゴミをため始めてしまってもなかなか他人に相談できない、自分では掃除ができないと言った事情が生まれてしまうのだと思われます。

医療職、介護職、そして弁護士、意外な職種に多かった


では、具体的にどのような職種の人が、ゴミ屋敷の住人に多かったのでしょうか。

プロの証言を集めると、ゴミ屋敷の清掃を依頼してくる人たちの職業には、

  • 看護師
  • 医師
  • 介護士
  • 弁護士
  • 教師

など、いわゆる士業の方たちも多く含まれていました。

確かに、リストに挙げられている職種は、人命や人生がかかっている職場で高度なストレスにさらされる傾向にあります。
人と接する仕事でもありますので、患者さんやクライアント、生徒や保護者との接触で心をすり減らすこともあるでしょう。
勤務する時間も長くなる傾向にありますので、帰宅後は緊張の糸がほどけ、家事どころか何もしたくない気持ちになるのは、ある意味当然とも言えるかもしれません。
そのような精神状態が長期間続くと、何かをきっかけにゴミを出さなくなり、次第にゴミがたまっていき、ゴミ屋敷へと変化していくのでしょう。

ストレスのかかる専門職にゴミ住人の特徴が加わると・・

では、このような専門性の高い職業の方達に、大阪市の調査でわかった

  • 集合住宅に住んでいる
  • ひとり暮らし
  • 近隣との関わりがない
  • ゴミを出すことができなくなるきっかけがあった

という要素が加わると、どうなるでしょうか?

かなり高率に、ゴミ屋敷の住人が出来上がる可能性があります。
一方清掃のプロたちによると、ゴミ屋敷の清掃を依頼する人たちの職種は、看護師がダントツで多いそうです。
ゴミ屋敷の清掃を依頼してくる人の約3割は看護師だとも言われています。
なぜ、看護師が多いのでしょうか?

なぜゴミ屋敷の住人に看護師が多いのか?


看護師がゴミ屋敷の住人になりやすいのは、それなりの理由があります。
その理由について、清掃のプロの証言、また過去に行われた調査をもとに検証してみたいと思います。

看護師は、他の職業に比べてストレスが多く、不規則な生活になりがちですが、そのような職種特有の事情から、看護師がゴミ屋敷の住人になりやすい理由が見えてきます。

看護師はもともと片付けが苦手!?


2017年に、首都圏と中部地方の看護、福祉系の大学生450人を対象に行われた調査があります。
この調査では、看護・福祉系大学生の整理整頓への苦手意識と居室の整理整頓状況、そして部屋の片付けができない学生には、その要因を分析しています。
その調査の結果、看護・福祉系の大学生たちの約6割が、整理整頓に対する苦手意識を持っていることがわかりました。
また整理整頓が苦手な学生は、整理整頓が苦手ではない生徒に比べて、部屋が片付いていないことが多く、ものがたまることに対するストレスも感じていました。
さらに、自分で掃除を行うことがないこと、整理整頓が苦手な学生は自尊感情が低い傾向にあることも判明しました。
ゴミをため始めた自分に対するネガティブな感情が働き、さらにゴミをためてしまう、負のスパイラルにハマってしまうのでしょう。
いずれにしても、看護、福祉系の大学生、つまり未来の看護師の卵とも言うべき人たちの過半数は、片付けが苦手であったと言えます。
この数が、一般の人たちと比べて多いのか、少ないのかはわかりません。
しかし、看護師は学生の頃から片付けが得意な方ではない人が多い、と言う証拠になると言えるでしょう。

仕事のために生活が不規則になってしまう


病院で勤務する看護師は、夜間帯に勤務することがあります。
2019年に、日本看護協会が行った病院看護の実態調査によると、病院で働く看護師は平均して3.8~4.7回も夜間帯に勤務していました。
ある清掃のプロは、看護師はゴミ屋敷の住人として多い職業だが、特にクリニックに勤務する看護師ではなく、大きな病院で働く看護師に多かったと証言しています。
クリニックで働く看護師に夜勤はありませんので、夜勤があるということが、ゴミ屋敷を作り出す原因の一つになっているのだと思われます。
夜勤中は、通常よりも少ない人数で入院中の患者さんのケアに当たりますので、相当なストレスにさらされていることが予想できます。
疲れ切って帰宅すると、料理を作るよりはコンビニや惣菜屋で食べ物を買ってくる方が楽ですので、必然的にプラスチックなどのゴミが増えてしまうでしょう。
またゴミは通常朝に出しますが、集合住宅などでゴミ出しのルールが厳しいところは、前もってゴミを出すことができません。
結果、朝まで仕事をしている看護師は、ゴミを出すタイミングを逃してしまうことになります。
こうして出すタイミングを失ったゴミが、次第に部屋のなかにたまって行くことになるようです。
大阪市の調査にあった、「ゴミを出すことができなくなるきっかけがあった」は、まさに「夜勤のためにゴミを出すタイミングが合わず、ゴミを出すことができなくなった」ということではないかと思います。

真面目な人が多く、職場での体験をひきずる傾向がある


看護師は、医療専門職のなかでも責任感の強い、真面目な人が多い傾向があります。
多くの看護師は、患者さんの役に立ちたい、その一心で仕事に取り組んでいます。
しかし、厳しい現実に直面することもあるでしょう。
過度に要求する患者たちのなかには、医者には言えないことを看護師に言うことで、自分たちのストレスのはけ口にしていることもあります。
このような精神的ストレスにさらされるのは、看護師特有の事情です。
また、自分が一生懸命対応してきた患者が、治療の甲斐なく亡くなってしまうこともあります。
役に立ちたいと思っても十分にできない、そのことで悩んでしまうこともあるようです。

さらに、最近は男性看護師が増えてきているとはいえ、いまだ90%以上が女性の職場です。職場の女性特有の複雑な人間関係で悩むことも多くなるでしょう。
しかも、真面目な性格ゆえ、ネガティブな感情を私生活にもひきずってしまいます。

そのような時、家族がいたり、心を打ち明けて話ができる友人がいたりすれば、まだなんとかなるのかもしれません。
しかし、ひとり暮らしだと家族は頼れませんし、また勤務が不規則だと友人と都合がなかなか合わないこともあります。

こうしてストレスをため込んだ看護師が、自宅では何もする気が起きない状態になってもおかしくありません。
看護師特有のストレスや勤務環境が、ゴミ屋敷を作る要因となっていることがわかります。

比較的安定した収入が得られるので、一人暮らし・買い物の障壁が低い

看護師は医療専門職ですので、比較的安定した収入が得られます。
令和元年の賃金構造基本統計調査によりますと、看護師の基本年収は482万9100円となっています。
20代前半でも390万円近い年収がありますので、同年代の人たちに比べると、給与面では恵まれていると言って良いでしょう。
また国家資格を持っていると、退職しても比較的容易に次の職が見つかりますので、安定して収入を得ることが可能です。

もちろん、その収入は不規則な仕事や技術が求められる仕事への対価です。
しかし、安定した収入があることで一人暮らしや買い物への障壁は低くなります。

疲れた体で買い物に行かないで、ネットで買い物をすることもあるでしょう。ネット通販で商品を購入すると、梱包資材が多く、ゴミが増えてしまいます。

こうして、徐々に一人で暮らす環境に、ものが増え、ゴミがたまってしまうのだと思われます。

もし、たまったゴミの解決に悩む看護師がおられたら、ご相談ください


たまってしまったゴミを前に悩む看護師がおられたら、現状を改善するために対策を立てる必要があります。
ただ忙しい日々で、なかなか一歩が踏み出せないかもしれません。
それであれば、まずは完全無料の相談から始めてはいかがでしょうか?
環境をリセットすることが、ゴミ屋敷に至った負のスパイラルをたちきり、様々な根本的な問題を解決するきっかけになるのではないかと思います。

まとめ

看護師という医療専門職のもつ特徴から、ゴミ屋敷の住人となってしまう原因をご紹介しました。
看護師は、職場では耐えきれないほどの精神的ストレスを抱え、不規則な勤務での身体的ストレスがかかる大変な仕事です。
むしろ、このようなストレスにさらされていると、ゴミ屋敷を作ってしまうことは、至極当然のことかもしれません。

簡単に解決することは難しいかもしれませんが、原因を理解することで、対策も立てやすくなります。
まずは小さなアクションを起こしてみてはどうでしょうか?その小さな行動が、環境を大きく変えることにつながるでしょう。

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