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遺品整理で捨ててはいけないものとは?遺品整理のコツや適切な時期も解説
- 遺品整理
2023.04.27
2023.08.26
本記事では遺言書など、遺品整理で捨ててはいけないものとその理由について解説しています。
遺品整理をスムーズに行うコツも紹介しているので、判断に困ったときに参考にして下さい。
目次
遺品整理で捨ててはいけないもの一覧
ここでは遺品整理で残すものとその理由を解説しています。
捨てると法的に困る物
1.遺言書
遺言書は財産分配を記した法的文章です。その内容は民法より優先されます。
意図的に破棄した人物は罪に問われ、遺産を相続する資格を失います。
見つからない場合は、法務局の遺言書保管所や、公証役場の遺言検索システムなどで遺言の有無を確認可能です。
2.現金・預貯金
現金を故意に捨てることはありえないので、こちらは「使うと法的に困る物」になります。
遺言書がない場合、現金は遺産分割の対象となり、相続人の間で合意が得られるまでは使えません。
預貯金も同様です。無断で引き出せば、着服を疑われる可能性があります。
3.有価証券・貴金属・その他貴重品
株式、宝石、骨董品など、金銭的に価値がある物は全て遺産分割の対象です。
ちなみに相続税が発生するのは、遺産の総額が3,600万円以上の時です。
数十万程度の物であれば、相続人同士で話し合ってから分配すると良いでしょう。
捨てると手続きで困る物
1.身分証明書・健康保険証・年金手帳
故人のマイナンバーカード、被保険者証、障害者手帳などは死亡届提出後の役所手続きで必要です。
同様に年金手帳や年金証書も、各種手続きや未支給年金の請求などで必要です。
2.通帳・キャッシュカード
預貯金の引き出し、相続手続き、口座の凍結解除などで必要です。
相続手続きに入った口座は一旦凍結され、解除には通帳またはキャッシュカードが必要になります。
3.クレジットカード
カード番号等が記載されているため、解約時に必要になります。
なお、ポイントは死亡によって失効するケースがほとんどです。
4.不動産の権利証
不動産の名義変更は権利証を紛失したとしても可能ですが、不動産の売却には権利証が必要です。
権利証なしで売却する方法もありますが、所定の手続きが必要になります。
5.印鑑登録証
故人の印鑑登録は死亡届が受理されると、自動的に抹消されます。
ただし、銀行手続き等で必要となる場合があるので、念のため取っておいた方が良いでしょう。
故人の実印は相続手続きでは不要なので、処分しても大丈夫です。
6.パスポート
故人のパスポートは都道府県のパスポートセンターで失効手続きを行い、返納します。
その他の捨てると困る物
1.遺書・エンディングノート
遺書は故人の想いを書き記した物で、遺言書のような法的拘束力を持ちません。
ただ、遺品整理や葬儀の希望が書かれていることがあります。
2.スマートフォン
画像や文書、サブスク等のサービスの解約に必要なID・パスワードが保存されています。
また、故人の関係者が電話をかけてくることは十分に考えられます。
連絡が来た場合に備えて、スマホの契約はしばらく維持しておきましょう。
3.鍵・リモコン
どちらも遺品整理の時に間違って処分しやすい物です。
鍵が小さくて見つからない時は、服や鞄のポケット、書類の間などを探してみて下さい。
4.レンタル品
ほとんどのレンタル品にはレンタル先のシールやロゴが貼られています。
業者に遺品整理を頼む際は、事前によけておいて勝手に処分されるのを防ぎましょう。
5.スポーツクラブなどの会員証
会費や使用料が発生している場合があります。
連絡先を調べて、できるだけ早く解約手続きを行います。
遺品整理で捨てていいか迷うもの一覧
ここからは捨てるものか残すものか、迷いやすい品目を解説しています。
判断に困ったときに参考にして下さい。
郵便物
郵便物は以下の3つに分けて考えます。
- 公共・金融機関からの通知
- 個人的な手紙
- 年賀状などの挨拶状
このうち残すものか迷いやすいのは、手紙と挨拶状です。
手紙をゴミとして捨てるのに抵抗がある場合は、お寺や神社でお焚き上げする方法があります。
挨拶状は住所録を作成した上で、残すか判断しましょう。住所録は関係者に訃報を伝える時に役立ちます。
写真
写真は故人を偲ぶ大切な品です。
差し迫った事情がない限り、無理に遺品整理の対象に加える必要はありません。
「保管スペースがない」などの理由で判断に困ったときは、デジタルデータ化して保管する方法があります。
趣味の品
資産価値が高いものは相続に関わってくるので、相続人の間で話し合ってから決めます。
資産価値が低いものは、自分で取っておくか、形見分けで他人に譲るかを決めます。
形見分けとは、遺品を故人の親族や知人に分ける風習のことです。
形見は相続財産には含まれず、相続税の対象にもなりません。
運転免許証
返納義務はありませんが、有効期限が満了していない場合、免許の更新連絡書などの通知が届きます。
通知の停止には、警察署や運転免許センターで免許証の返納手続きを行う必要があります。
仏壇・神棚
どちらも粗大ゴミに該当し、自治体で処分できます。
ゴミに出すことに抵抗がある方は、
- お寺や神社で魂抜きを行ってから処分する
- 販売店や不用品回収業者に処分を頼む
といった方法があります。
遺品整理はいつ行う?適切なタイミングを解説
遺品整理の時期について、法律的または宗教的なルールはありません。
自分の状況に合わせて、適宜判断していくことになります。
葬儀の後(~1週間)
この段階で遺品整理を行う理由はいくつか考えられます。
1.貴重品の探索
死亡届提出後の役所手続きには期限付きのものもあり、所定の書類が必要です。
(例:故人の国民健康保険証は14日以内に返却する必要がある)
通帳は銀行手続きで必要ですし、クレカや会員証など、解約のために早く見つけた方がいい物もあります。
2.親族が集まるタイミング
親族が遠方住まいだと集まる機会が少ないので、このタイミングで遺品整理を行います。
3.故人の家が賃貸
契約解除や借家の明け渡しのため、必然的に早い段階で遺品整理を行うことになります。
葬儀後に遺品整理を始める人は多いです。
ネット調査では、全体の3割の人が葬儀後すぐに遺品整理を始めたと回答しています。
各種手続きの後(~1ヶ月)
誰かが死亡すると、死亡届の提出に始まり、相続や保険金、ガス水道の解約など、様々な手続きが待ち構えています。
各種手続きが一段落すれば心の余裕もできるので、遺品整理を行うには適した時期です。
四十九日の後(~2ヶ月)
仏教では人が亡くなると、7日ごとに極楽浄土へ行けるかの裁判が行われ、49日目に判決が下されます。
49日目は忌明け(きあけ)とも言い、この日を境に遺族は喪に服していた期間を終えます。
このように、四十九日は仏教における節目の一つです。
気持ちの整理がつき、遺族が集まる時期でもあるため、この時に遺品整理を行う人は多いです。
形見分けも、四十九日の法要が終わった後に行うのが一般的です。
相続税の申告前(~10ヶ月)
相続税の申告期限は「故人の死亡を知った日の翌日から10か月以内」です。
ただ、相続税には基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)が設けられています。
実際に相続税が発生するのは日本人の約9%なので、ほとんどの人は気にしなくても大丈夫です。
遺品整理で捨ててはいけないものを判断するコツ
ここでは遺品整理をスムーズに進める方法について解説しています。
遺品を分類する
まずは大まかで良いので、遺品を以下の5つに分類します。
種類 | 具体例 |
貴重品 | 公的書類、資産価値がある物 |
思い出の品 | 手紙、写真 |
買取に出す物 | リユース可能な家具、家電 |
業者で処分する物 | 粗大ゴミ等の重いゴミ |
自分で処分する物 | 燃えるゴミ等の一般ゴミ |
遺品整理業者なら買取と処分が可能なので、複数業者に頼む二度手間を省けます。
中には衣服や食器など細々とした日用品の買取を行う業者もあり、遺品整理では役立ちます。
【関連記事】遺品整理業者の費用を知りたい方はこちら
複数人で作業する
遺品整理は一人より複数が基本です。
心とからだの負担を減らすことができますし、判断に困ったときに意見を出し合える利点もあります。
段階的に分けて行う
急いで遺品整理を行うと、大切な物まで一緒に捨ててしまう可能性があります。
葬儀後、各種手続きの後、四十九日の後など都合が良い時に、少しづつ整理していきましょう。
生前整理を考える
遺品整理の負担を減らすことができます。
生前整理のコツは、素早く判断できる物から片付けることです。
写真や手紙、学生時代の文集などは手を付けたらキリがないので、「残すもの」として保留します。
親や祖父母の説得が難しい場合は、貴重品や鍵の場所、各種IDやパスワードだけでも、メモとして残すよう本人に頼んでおきましょう。
専門家に相談する
遺品整理業者やNPO法人を始め、営利・非営利を問わず遺品整理について相談できる団体は多いです。
また各自治体は、法律・税務・年金・不動産に関わる市民相談を受け付けています。
遺品整理は捨ててはいけないものに注意して行おう
大切な人が亡くなった後は悲しみや葛藤に苛まれ、冷静な判断が難しい状況です。
判断に困ったときは時間を置いて、少しずつ遺品整理を行いましょう。
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