ゴミ屋敷の片付け費用は3万円～数10万円と、家の広さやゴミの量によって大きく異なります。

そこで本記事では片付け費用の内訳とともに、高くなりがちな費用を安く抑える方法も解説。

加えて、ゴミ屋敷の片付け業者の選び方も詳しく記載しています。

誰もが気になる”お金”と”選び方”にフォーカスした内容になっています。

ゴミ屋敷の片付け費用の相場

まずはゴミ屋敷にあるゴミの片付け費用の相場を見てみましょう。

上記費用は、ゴミの回収費用のみである点にご注意下さい。

他に必要な費用は、基本料金・人件費・階段料金・車両代・出張交通費・梱包費などです。

業者によってはこれらの金額コミコミでトラック載せ放題プラン（定額プラン）を用意している業者もあります。

トラックのせ放題プランの相場は以下のとおりです。

また、ゴミ屋敷にあるゴミを撤去したあとは、簡単な掃除を行うものの、本格的な清掃等のオプションサービスの費用も含まれておりません。オプションサービスとは以下のようなサービスです。

• 特殊清掃
• ハウスクリーニング
• 部屋の掃除・片付け
• 害虫駆除・消臭
• リフォーム（畳や壁紙・障子などの張替、床材の交換など）
• 解体
• エアコンの掃除
• 原状回復

また、オプション費用として、スタッフ追加料金や階段がある建物の場合は階段料金、深夜料金、特急料金などがかかる業者もあります。

ゴミ屋敷の片付け費用が変わる理由

先ほどの表を見ても分かる通り、片付け費用には大きな開きがあります。

本項目ではその理由を示すとともに、オプションサービスの費用についても解説したいと思います。

ゴミの量

片付け費用に直接関わって来るのがゴミの量です。

ゴミの量が多ければ、それだけ多くの作業人数や作業時間、大型のトラックが必要になります。

人件費の相場は１名１時間3,000円～5,000円で、片付け費用の大半を占めます。

例えば5名のスタッフが2時間作業するだけなら、人件費は1～2万円です。

これが5名のスタッフが10時間作業した場合、人件費は15～25万円となり、ゴミ屋敷の片付けにお金がかかる理由が見て取れます。

ちなみに車両代の相場は軽トラで3,000円、2tトラックで8,000円で、費用全体から見ればそこまで多くはありません。

ゴミの種類

ゴミの種類が多ければ、それだけゴミの分別に時間がかかります。

「分別に時間がかかる→作業時間が多くなる→人件費が上昇する」

という図式になり、ゴミの量と同様に、費用の高額化を招きます。

分別に時間がかかる物には、

• 処理困難物（農薬や灯油など）
• 飲みかけ・食べかけの飲食物
• 糞尿

などが挙げられます。

この他にも粗大ゴミやリサイクル家電など、処分費用が多めにかかる品目もあります。

リサイクル家電とは、エアコン・テレビ・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機のことです。

これらの品目には、有用な部品や素材が使われているため、家電リサイクル法により、リサイクルを義務付けられています。

消費者はリサイクル料金を支払って処分をし、メーカーはそのお金でリサイクルができる部品や素材を再利用します。

そのため、これらの品目を処分する際は、別途「リサイクル料金」がかかります。

リサイクル料金は以下の通りです。ただし、メーカーや品番により価格が変動するので、最低料金のみ記載します。

参照サイト：https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/kaden_recycle/fukyu_special/

清掃・消毒・害虫駆除・特殊清掃

こちらはオプションサービスになります。

通常のゴミ回収と異なり、軽度のゴミ屋敷ならば特に必要のない作業です。

清掃・消毒・害虫駆除にかかる費用は、最低でも2万円～を見ておくと良いでしょう。

費用は部屋の広さや状態、使用する薬品などで変わります。

例えば生活臭が強く、10畳を超える部屋を消臭・消毒する場合は、6万円～が相場です。

特殊清掃とは、通常のハウスクリーニングや掃除では落とせない汚れや臭い、害虫をきれいにする技術のことです。

こちらも、状態によって費用が前後するため、1R・1K で7～30万円と幅がひろくなってしまいます。

4LDK以上になると、20～60万円かかることもあり、これに加えてゴミの回収費用もとなると、かなりの金額が必要になってしまうでしょう。

そのため、できうる限りゴミ屋敷にしない、ゴミ屋敷になってしまったらまだ軽いうちに業者に依頼することをおすすめします。

その他追加費用

その他に発生する費用としては、

• 階段料金（1階1,000円～）：階段を使って不用品を運び出す際に発生する追加費用です
• 家具の解体料金（1,000円～）：部屋から出せない家具を解体する必要がある際などに発生する費用です
• 吊り下げ料金（10,000円～）：ピアノなどの大型家具のうち、解体ができないもの、解体をしたくないものを窓から出す際に発生します
• エアコンの取り外し料金（5,000円～）：室内機・室外機両方を合計した金額です

ゴミ屋敷の片付け費用を抑える方法

片付け費用は、業者側の人件費が大半を占めています。

したがって費用を抑えるためには、人件費（=作業員と作業時間）をいかに減らせるかが重要になります。

自治体で処分する

可燃・不燃・資源ゴミは、無料（または指定袋の代金）で処分できるので、できる限り自分で出してしまいましょう。マンションの場合は、24時間いつでもゴミを出せる場合もあるので、マンションの規約を確認してみてください。

粗大ゴミも、自治体なら1個100円～2,000円で片付けられます。自分で持ち運べるサイズの小さな粗大ゴミは自分で片付けて、費用を減らしましょう。

ただし、作業を行う前に必ず害虫駆除をできる範囲で行い、マスクや軍手を使用してください。

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2022年12月30日

自治体の支援を受ける（条件付き）

ゴミ屋敷対策条例の枠組みにおいて、一部自治体はゴミ屋敷の解消に最大100万円の支援金を支給しています。

ただし、残念ながら九州地方の各自治体の条例で、ゴミ屋敷解消のための支援金を用意している自治体はありませんでした。（2023年3月現在）

ここでは他の地域の支援についてや、具体的な例を挙げておきます。

一般的にゴミ屋敷の解消のための支援金は、居住者が経済的、身体的、精神的に問題があるなど、様々な条件が設けられています。

通常自治体が行うのは、ゴミ屋敷の改善に向けたサポートです。

具体的には生活相談や、片付け業者の手配が挙げられます。（足立区の場合）

自治体によるゴミ撤去の強制執行というのもありますが、費用は居住者が負担します。

この他にも、空き家家財道具等片付け補助金という補助金を利用できます。これならば、佐賀県小城市で実施されています。

これは空き家の有効活用を目的としており、家財道具などゴミの片付け費用を一部補助する、という内容です。

空き家が対象であるため、ゴミ屋敷化している空き家なら申請できる場合があります。

上限は10万円です。その他詳しい条件は各自治体にお問い合わせ下さい。

相見積もりをする

相見積もりとは、2～5社ほどに見積もりを依頼し、価格競争を起こさせることで費用を抑える手法です。

この際、出張見積もりを依頼すれば、より正確な費用がわかるうえに、スタッフの対応も確認できるため、おすすめです。

ただし、出張見積もりの費用や見積り後のキャンセルが無料かどうかは事前に確認をしてください。

広告の上では「見積もり無料」でも、実際には調査費や作業費という名目で費用を請求されるケースが発生しています。必ず事前確認を怠らないようにしましょう。

こうしていくつも見積もりを取ると、相場が判ります。

相場と照らし合わせて費用が高すぎる業者はもちろん敬遠しますが、安すぎる業者も選ばないようにします。なぜなら、後から追加料金を請求される可能性があるからです。

「作業費用一式　〇〇万円」となっている業者も要注意です。

一式とは”ひとまとめ”という意味です。明確な料金体系とは言えませんし、後から追加費用を請求される可能性もあります。

見積もりには正確な内訳が記載されていることと、会社名や担当者名、住所、連絡先が記載されていることも必ず確認をしてください。

そうして残った業者の中でもしも、価格が近く気に入った業者が複数あったら、高い値段を提示した業者に安い値段を教えるだけで価格が下がる可能性があります。

ゴミ屋敷の片付け業者のキャンペーンやクーポン券を利用する

各業者は、キャンペーンやクーポン券を用意して、少しでも価格が抑えられる努力をしています。

こうしたキャンペーンやクーポン券は、業者の公式ホームページにしか掲載されていないことが多いため、必ず公式ホームページを確認しましょう。

ゴミ屋敷の片付け業者の公式サイトから申し込む

ゴミ屋敷片付け業者の中には、一括見積もりサイトに掲載されている業者もあります。

こうしたサイトは便利で、一気に様々な業者から見積もりを取ることができます。

ただし、ここには落とし穴があります。

それは、中間マージンが発生することです。

公式ホームページから直接申し込めば、中間マージンが発生しない分、安くゴミ屋敷を片付けられるでしょう。

自分でできる作業は行っておく

ゴミ屋敷の片付け費用の中で一番高いのは、何といっても人件費です。

人件費を削れば、費用は安くなります。分別はもちろん、お住いの地域で処分ができるゴミはあらかじめ捨てておくだけでも金額は変わります。

そして、中でも一番作業に時間がかかり、作業員が必要なのが導線の確保です。

玄関だけはきれいに片づけておく、運び出したい家具を出せるように出入口までの足場を確保しておく、壁にかけている鏡などをどけておく、こうした作業ができていればより一層価格は下がります。

もちろん、分別や運び出し、導線の確保はゴミ屋敷片付け業者が行ってくれる作業です。しかし、そこには必ず人件費が発生します。

自分でできる範囲のものだけでもやっておけばその分費用は減るので、出張見積もりを依頼して、交渉をしてみると良いでしょう。

ゴミ屋敷の片付け業者の選び方

本項目では業者選びで失敗しないポイントについて解説しています。

業者に問い合わせるときに伝えておく情報と質問を明確にする

業者に問い合せる際は、以下の情報を伝えておくとやり取りがスムーズです。

• ゴミ屋敷の部屋数や広さ
• ゴミの量（例：膝までゴミが堆積している）
• ゴミの種類（粗大ゴミ、生ゴミ、糞尿など）
• 汚れの状態（例：３年間ゴミ屋敷の状態）
• 害虫や悪臭の度合い

さらには、「見積もり外の作業を無断で行わないか」「見積もり後に追加費用は発生しないか」「見積もり後のキャンセルは無料か」を聞いておくと、より安心して依頼が可能になるでしょう。

数社に出張見積もりを頼む

数社に出張見積もり（現地見積もり）を依頼すると、数社に見積もりを依頼することになります。

すると、自然と相場がわかります。

ゴミ屋敷の片付け費用はゴミの量や広さ、オプションの有無、汚れの程度などにより変動するため、実際に見て貰って得る相場は確かなものであると言えるでしょう。

費用と作業内容を明確にする

見積書の書き方は業者によって様々ですが、

• 整理・搬出作業
• 廃棄物の処理
• 車両費
• 買取り代金

といった内訳項目と、それに応じた金額が記載されているかどうかを必ず確認してください。見積書に業者名や連絡先が入っているか否かも必ず確認しましょう。

自分が頼みたいサービスがあるか

ゴミ屋敷の片付けで必須のサービスと言えば、「オプション」と呼ばれる以下のサービスです。

• 害虫駆除
• ハウスクリーニング
• 特殊清掃
• 消臭・除菌
• 原状回復
• リフォーム
• 解体
• 部屋の掃除・片付け
• エアコンの掃除

例えば、畳の部屋の場合は畳を変えなければ生活ができないはずです。賃貸ならば原状回復が必須です。

害虫が多いならば、専門業者に害虫駆除をしてもらわなければ、住めません。

こうしたオプションは、ゴミ屋敷の状況によって必要なものが変わるため、自分が必要とするオプションサービスがある業者を選ぶ必要があります。

ゴミの処分は不用品回収業者に、特殊清掃は特殊清掃会社、リフォームはリフォーム業者にとわけて依頼をすることも可能ではありますが、こうしてしまうと都度出張料などの各種手数料を取られてしまうため、できるだけ一社にお願いして終わらせられると良いでしょう。

これらに加えて、貴重品探索、立ち合い不要などの他に、深夜早朝の対応や近所にバレない対応など、便利なサービスもありますので、こうしたサービスに費用はかかるのかどうかも含めて、問い合わせてみると良いでしょう。

ゴミ屋敷の放置は危険！高額な片付け費用の事例

ゴミ屋敷を放置すれば自治体から指導が入り、最終的には居住者の負担のもとゴミを強制撤去（行政代執行）されます。

行政代執行の費用は高額です。長期間にわたりゴミが堆積しているので、片付けにかかる費用は尋常ではありません。

神奈川県横須賀市では50代男性が５年間ゴミを片付けず、60万円の費用で強制撤去。

愛知県蒲郡市では69歳男性が大量の古着を溜め込み、400万円の費用で強制撤去。

福島県郡山市では70代男性が所有する民家4軒全てがゴミ屋敷となり、300万円の費用で強制撤去。

行政代執行にかかった費用は自己破産しても免除されません。

上の例は少し極端ですが、ゴミ屋敷を放置することの恐ろしさが理解できると思います。

ゴミ屋敷はできるだけ早く片付けるようにしましょう。その方が金銭的にも労力的にも少ない負担で済みます。

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ゴミ屋敷の片付けにはお金がかかりますが、業者に頼めば時間を大きく節約できます。費用に注意しつつ、適正価格で片付けてくれる業者を選ぶことが大切です。

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• 特殊清掃
• ハウスクリーニング
• 貴重品探索
• 害虫駆除
• 解体
• 消臭・除菌
• 24時間対応
• 立ち合い不要
• プライバシーの保護
• 分別・梱包・運び出し
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