ゴミ屋敷になってしまう方の多くは、心の病気を抱えています。

そのため、ゴミ屋敷になってしまった原因を本人のせいと決めつけず、なぜゴミ屋敷になってしまったのか原因を追及する必要があるのです。

今回の記事では、ゴミ屋敷の原因となる心の病気や、ゴミ屋敷になってしまう人の傾向をお伝えします。

さらに、心の病気によってゴミ屋敷になってしまった際の対処法も一緒にご紹介します。

ゴミ屋敷の原因となる7つの心の病気

ゴミ屋敷の原因となる心の病気は主に7つあります。下記では、それぞれの病気について解説していきます。

ADHD（注意欠陥・多動性障害）

ADHDとは注意欠陥・多動性障害です。ADHDの障害を持っている方は、注意力や落ち着きがありません。そのため、物をすぐになくしてしまう傾向があります。

また、本人にゴミ屋敷を片付けたい意思があっても、障害のせいで片付けられないのが特徴です。

整理整頓が苦手で片付けの優先順位がわからず、ゴミ屋敷になってしまう場合があります。

うつ病

うつ病は、すべての物事をネガティブに捉えてしまって、行動する意欲や生きる気力を失ってしまう病気です。

うつ病のはっきりとした原因は判明していません。しかし、過度なストレスを受け続けたり、慢性的な疲労を溜め込みすぎたりすると発症してしまう可能性があると言われています。

健康な方であっても何かの原因でうつ病を発症する場合もあります。

うつ病になると生活に関する意欲が失われるため、普段できていた片付けができなくなり、ゴミ屋敷化するケースが多いです。

本人には片付ける意欲がないので、家族など同居人のサポートが必要です。

統合失調症

統合失調症は精神分裂症とも呼ばれていて、幻覚や妄想などの症状が現れます。

感情や行動などが支離滅裂で、健康な方からすると意味がわからない行動をしてしまいます。

そのため統合失調症の方は、掃除をしてもすぐやめてしまったりゴミを溜めてしまったりと、ゴミ屋敷になってしまう可能性が高いです。

また、片付けができない自分を極度に責めてしまうこともあります。

また、周囲の方から理解されにくい病気でもあり、病院に行けず症状が悪化してしまう危険性も。

統合失調症の疑いがあれば、すぐに病院へ行くことをおすすめします。

セルフネグレクト

セルフネグレクトは、生活や仕事などすべての物事に関して無関心になってしまう病気です。

セルフネグレクトを発症する原因のほとんどは、うつ病や統合失調症などの精神疾患です。

自分自身の世話ができなくなるので、もちろん部屋の掃除や片付けもできなくなります。その結果、ゴミ屋敷になってしまう可能性があります。

ゴミ屋敷に虫が沸いても異臭がしても気にならなくなってしまうのが、セルフネグレクトの恐ろしいポイントです。

さらに、症状が進むと生きる気力も無くなってしまうので、早めに病院で受診しましょう。

認知症

高齢者が住んでいる家でゴミ屋敷になってしまった場合のほとんどが、認知症であると考えられます。

認知症になると物事を判断する能力や記憶力が著しく低下するので、ゴミを捨てる場所がわからなくなったり整理整頓ができなくなったりします。

どんどん不用品やゴミが溜まってしまった結果、ゴミ屋敷化してしまう可能性があるのです。

最悪の場合、ゴミ屋敷で孤独死してしまう危険性もあるので、周囲の人のサポートが必要です。

買い物依存症

買い物依存症とは、現実逃避をするために買い物を繰り返してしまう依存症です。

いらない物を次から次へと買ってきてしまうので、不用品があふれてしまってゴミ屋敷になる場合があります。

また、お金が無くなっても買い物を続けてしまって、自己破産するケースもあります。

買い物依存症は、ストレスを抱える女性が発症しやすい病気です。

買い物をしてストレスを発散している方など、少しでも疑いがあればすぐに専門医に相談しましょう。

ためこみ症

ためこみ症は、物を捨てられない病気です。物を溜め込むことによって安心感が得られる一方、物を捨てることに罪悪感を持ってしまいます。

ためこみ症を発症してしまう原因は判明していませんが、遺伝や幼少期の生活に大きく関係していると言われています。

また、物を溜め込むことへの執着が強くなかなか治療ができないケースも。

不用品を溜め込んだ結果ゴミ屋敷化してしまい、近隣住民に迷惑をかけてしまう可能性があります。

家中に不用品を溜め込むので、安全に生活できない環境になってしまいます。

心の病気のせいでゴミ屋敷になる人の傾向

心の病気のせいでゴミ屋敷にしてしまう方には、いくつかの傾向があります。

自分や家族などの周りの人が当てはまっていないか、確認してみましょう。

すみずみまで片付けたい完璧主義者

完璧主義者はすみずみまで完璧に片付けようとするため、なかなか片付けが進まない傾向にあります。

特にADHDなどの障害を持っている方は、片付けをしている時に細かい部分が気になってしまい、最後まで片付けができない場合もあります。

ストレスを抱えて片付ける気力がない

ストレスを過度に抱えてしまって、片付ける気力がわかない方もゴミ屋敷にしてしまいがちです。

ストレスを抱えすぎるとうつ病や統合失調症など、さまざまな心の病気にかかってしまう可能性があります。

最悪の場合、生きる気力も失ってしまうので、早めに病院で受診することをおすすめします。

物への執着心が強い

寂しがり屋の方は周りに物を置くことで、安心感を得る傾向があります。

また、物への執着が強いためこみ症の方も、なかなか不用品を捨てられずゴミ屋敷にしてしまう可能性が高いです。

片付けること自体が難しい

ゴミ屋敷にしてしまう方の中には、片付けること自体が困難な方もいます。

例えば、精神疾患のせいで片付ける行動に移せなかったり、物を捨てるとパニックになってしまったりと、さまざまな要因が挙げられます。

心の病気によるゴミ屋敷の対処法

心の病気が原因でゴミ屋敷になってしまった場合、どのような対処法があるのでしょうか？

下記では3つの対処法をお伝えするので、ゴミ屋敷で悩んでいる方はぜひ参考にご覧ください。

医療機関に相談する

ゴミ屋敷になってしまう原因が病気にある場合は、すぐ医療機関に相談しましょう。

病気をそのままにしておくと、せっかく綺麗にした部屋がすぐにゴミ屋敷に戻ってしまうだけでなく、症状が悪化してしまう危険性もあります。

本人がなかなか病院に行ってくれない場合は、家族が代理で受診できる病院もあります。

また、病院に行くこと自体のハードルが高ければ、カウンセリングを受けてみるのもおすすめです。

定期的に人を家に呼んでコミュニケーションを取る

ずっと家に1人でいると孤独な気持ちになり、心の病気がどんどん悪化する可能性があります。

家族や友人などに定期的に来てもらって、コミュニケーションを取ることで少しでも孤独感を解消しましょう。

さらに、部屋を片付けるモチベーションにも繋がります。

ゴミ屋敷の片付けを業者に頼む

ゴミ屋敷になってしまった場合、健康な方でも自力で片付けるのは難しく、心の病気を持っている方がゴミ屋敷を片付けるのはほぼ困難です。

片付けの専門業者に依頼すると、精神疾患の状態に寄り添ってゴミ屋敷の片付けをしてくれます。

また、周囲に住んでいる方々への対応も行ってくれる業者もあるので、サービス内容を確認した上で依頼するのがおすすめです。

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